「高齢者に歩行は必要」と、分かっていてもなかなか思い通りにはならないことが多いのが現状です。高齢者に歩行を促すには、どうしたら良いのでしょうか。
高齢者は、全員が元気で頑張って運動を行いたい人たちばかりではありません。デイサービスやグループホームでは、複数の利用者に対して数名の介護職しかいませんので手が回っていないのも事実です。自立的に歩行訓練を行ってくれると良いのですが、人の手が必要な利用者は歩行する時に声をかけるのを躊躇したり、面倒くさがってそのまま歩かない日が続く事があります。
30歳をピークに、人間の筋肉は衰えていきます。これは、男女差はあるものの、全員にいえることです。また、怪我や病気で寝たきりになった後、筋肉は急激に衰え、元に戻すには筋肉を使うしかありません。一度失った筋肉を取り戻すには、それと同じ時間がかかります。
高齢者に歩行を促すには、まずこの事実をわかりやすく理解してもらうのが一番です。体を動かすことは億劫な人は理由がわかれば歩行する大切さを知り行動に移せるからです。他には、分かっていてもやらない場合単純に運動が億劫なこと、自分のプライド、心理的なトラウマなどが考えられます。
プライドは尊重しつつ歩行してもらうには、まず楽しみを見出すこと。何か目標をつくるとか、誰かと一緒に歩くとか、周りが励ますとか、その人の人間形成をみながら利用者の「やる気スイッチ」を探してあげるのです。