歩行介助のポイントは、人の歩行動作を正しく理解し、左右への重心移動を誘導することです。人は、おへその下あたりにある重心を「8の字」を描くように動かしながら歩いています。上げたい脚と反対側の脚にしっかりと重心をかけてあげることで格段に歩きやすくなります。
腕の動きを妨げてしまうと、バランスを取りにくくなってしまうので腕は自然に動くようにフォローしましょう。「転ばせてはいけない」という意識が先行してしまい、相手に密着しすぎてしまうと相手の動きを妨げてしまうので注意しましょう。
介助者の正しい立ち位置は、介助すべき人の斜め後ろです。利き手と反対側に立つのが原則となっており、麻痺がある場合には麻痺のある側に立ちます。左側に立つのであれば、自分の左手を要介護者の左手に添え、右手は骨盤周辺に添えておきます。要介護者が歩くのに邪魔にならない位置で且つ離れすぎないことがポイントです。万が一の時に咄嗟に支えられる位置が理想的ですので、自分の中でしっくりくる位置を認識しておきましょう。
歩く際には「イチ、ニ、イチ、ニ」と要介護者の動きに合わせて介助者も動きます。足の運びや歩幅も一緒にすることでお互いに動きやすくなるのです。状態によって、人それぞれ歩き方が異なるためその人に合わせた介助が必要になります。
すり足なのか、つま先が上がっているのか、前のめりなのか…要介護者の動きをしっかりと観察しましょう。自分の知識だけでは不安な場合は、リハビリや歩行介助を仕事にしている理学療法士に相談したり〈目指せ!歩行介助マスター〉をはじめとする参考サイトをチェックするのも一つの手です。